あちこたねぇ
Single
shiro
Maxi Single
宮原芽映
Port・fo・lio
MariPosa
2枚ワンセット
Copyright © 2007 - 2026 宮原芽映
MIYAHARA Mebae All Rights Reserved.

よわこ yowako.com 宮原芽映 オフィシャルサイト

カタルシス

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 06 25th, 2008   Yowako  

よわこの日記 031
今日も、わたしはよわこです。
山手線の車内テレビで、猫のメイクをした女の人が、くるくる回って踊っています。ミュージカルのCMね…。ぼんやり眺めていたら、駅に着きました。
五反田で降りて、ソニー通りをトボトボ歩いていたら、猫が一匹、歩道を歩いてきます。あれれ、こんな大通りを、猫が歩くなんて珍しい。よく見ると、あとからあとから、ぞろぞろぞろぞろ……… 歩道に猫がいっぱい。わわわ、どうしちゃったの?! 行列のうしろをたどっていくと…、そこは『キャッツ・シアター』でした。猫たちは「奥田久美子の歌う『メモリー』、感動したニャ~。」 「あたしは、久野綾希子が好きだったニャ!」などと、おしゃべりしながら、うっとりと駅の方に歩いていきます。「たいへん!観客が、みんな猫になっちゃった!」…わたしは、大急ぎで浜松町に行きました。
浜松町の四季劇場に行くと… やっぱり!ミュージカルが終わって、出てくるわ出てくるわ、ライオンにミーアキャット、イボイノシシ、ヒヒにハイエナ、なぜか『ジャングル大帝』のレオもいました。「たいへん!観客がみんなアフリカの野生動物になっちゃった!」… ミュージカルはもちろん、『ライオンキング』です。近くの自由劇場では、そのときミュージカル『赤毛のアン』をやっていました。も、もしかして… わたしは怖いから、行くのやめました。
家に帰って、母にその話をしたら、「カタルシスね…。」と言いました。観客が、芝居の主人公になりきってしまうことだそうです。そうすることによって、現実の不満や、コンプレックスを浄化するのです。やれやれ、それなら安心だわ!
ところが。母が「あたしも昔、劇団四季の研究生だったのよ。半年で、おい出されたけど。」と言ったのでショック!… し、しらなかった!もしも、おい出されなかったら…?母も猫の化粧をして、くるくる回っていたのかしら…?そうしたら、母は父と会うこともなかったし、わたしもこの世に生まれなかったかも……。それは、猫やライオンや赤毛のアンに変えられるより、もっと怖い想像でした。
「母をクビにして下さって、ありがとう!」… 『キャッツ・シアター』を通るたび、わたしは神様と劇団四季に感謝します。

水族館裏

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 06 16th, 2008   Yowako  

よわこの日記 030
今日も、わたしはよわこです。
今日は父の日。「さあ、仕事仕事!」…父は朝から、パソコンに向かっています。父の日でも、締め切りは待ってくれないのです。お父さん、大変ね…。「何か欲しいものある?」と聞いたら、「コーヒー!」と返事が返ってきました。わたしは、父の好きなコーヒー豆を買いに、品川へ行きました。
買い物の帰り、エプソン・アクアスタジアムの前を通りました。ここは、プリンスホテルに隣接した水族館で、映画館の並びにあります。ちょうどアトラクションが終わって、お客がぞろぞろ出てきました。ほとんどが、親子連れです。どのお父さんも、なんだか疲れてるみたい。やっぱりお父さんは、大変なんだわ…。
わたしは、人気のない水族館裏のベンチを見つけて、100円マックを食べました。すると、バンドウイルカとアシカが出てきて、ベンチで煙草を吸いはじめました。「もォ、やってられないわ!毎日同じ事ばかり!」…イルカが言いました。「そろそろ演出変えないと、江ノ島に負けるかもな。」…アシカが言いました。「運動音痴のイルカ(アクアスタジアムのスター)なんて、子供はすぐ飽きるわよ。」 「鴨川シーパラは超能力のシャチだってさ。」 「あいつらに超能力だって?ふん!笑わせるわ!」…なんだか険しい雰囲気。「ねえ、そこのイワシちゃん。」イルカが言いました。ドキッ!…わたしのことみたい。「なにもってんの?」 「せ、成城石井のコーヒーと、カルディの生ハム… 父の好物です。」どうしよう…欲しいのかしら?あげないとわたしが食べられちゃうかも…。「ふーん、今日は父の日か…。」イルカが、煙を吐きながら言いました。「地球温暖化が進んでいるのに。気楽なもんよね、人間は。」 「す…すみません。」 「ねえ、(アシカに)あんたパパの顔覚えてる?」 「うちの親父は、奥さん14頭いたからなあ…。顔なんて見たことないよ。」 「ハーレムね。あたしのパパ、今はフロリダだってさ。」わたしは、思わず質問しました。「どうしてわかるんですか?」 「ふん。あたしたち超音波で、毎日世界中のイルカとチャットしてんの。SNSなんて目じゃないわ。」 「そういえば…」と、今度はアシカ。「スピード社の水着が承認だって。」 「ミズノは大損ね。」 「北京じゃ新記録ラッシュだろうな。」 「キタジマがどんなに頑張ったって、しょせんあたしたちにかないっこないわよ。」…すごい。マイクロソフト・ニュースみたい…。「今度のポスター、きれいに出来たわね。」 「やっぱエプソンだな。」 「HPもいいけど、インクが高いそうよ。」…いつまでこんな話が続くのかしら。わたしは、そろそろ開放してもらえないかなあと考えてました。そのとき、「イルカさん、出番ですよ~!」と、ペンギンが呼びに来ました。よかった…!やっと帰れそう。
アシカはあくびしながら、「あ~、オレはまだ時間あるな。『インディ・ジョーンズ』でも観ていくか。」 「じゃあね。イワシちゃん、ハンバーガーは体に悪いわよ。もっとマシなもん食べなさい。」 「は、はい。(煙草はいいのかしら…)」 「可愛いフリしなくちゃ。さあ、仕事仕事!」イルカはぴょんぴょん弾みながら、行ってしまいました。…やれやれ、水族館の動物たちも大変みたい。

ライブ情報

よわこの母 宮原芽映 INFO   Posted on 06 10th, 2008   Mebae  

二俣川 SOMEDAY

7/5(土) OPEN 19:00 START 20:00
出演:宮原芽映(Vo, G) 原田康平(G) 永本忠(B)
料金:2000円+DRINK代
場所:二俣川 SOMEDAY   LINK
横浜市旭区二俣川1-45-95七番館ビル2F TEL 045-365-3671
*二俣川駅北口徒歩1分。長崎屋裏、居酒屋はま忠2F。

平松八千代 &宮原芽映 Joint Live 第2弾 決定!

8/20(水)
横浜 Thumbs Up LINK
出演:宮原芽映、平松八千代(Vo, G)
鈴木俊介(G)、琢磨仁(B)、小田原豊(Dr)、深町栄(Key) 他
*詳細は後日お知らせいたします。

デート・デビュー ③

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 06 10th, 2008   Yowako  

よわこの日記 029
そして今日も、わたしはよわこです。
「今日からあたしを、ユリって呼んでね。」…金髪で、おかっぱ頭のニシ先輩が言いました。ひえ~~~~びっくり。モヤイ像が空飛んだって、こんなに驚かないかも。まるでウサギの穴に落っこちた気分だわ。やっぱり、からかわれてるの?
「では、お買い物に行きましょう!」先輩はさっそうと、ハチ公前のスクランブル交差点を歩き出しました。ところが、ロングスカートに脚がこんがらがって、いきなりどすんと倒れてしまいました。「大丈夫ですか!」 「ご、ごめんなさい…大丈夫。」立ち上がった瞬間、今度はサンダルのかかとを踏みはずしてよろけました。これが、あのサッカー部のエースかと思うほど、不器用な感じ。そこらへんの女の人よりきれいだけど、先輩は背が高すぎ、誰が見たって男の人です。わたしはすれ違う人たちの目を気にして、ドキドキしました。でも、よかった。みんな無関心な顔で通り過ぎていきます。
「よわこちゃんなら、きっとお友達になれると思ったの。」…え?それってどういう意味?同じ髪型だから? Bunkamura通りを歩きながら、先輩は告白しました。小さい頃からずっと、女の子になりたかったこと。親に内緒で『ユリ』に変身して町を歩くのは今日で4度目。だけど、実行するのに6年もかかったこと。本当は時間通り来たのに、声かけるのをためらって、デパートを8周もしたこと…。こんな話を聞くと、女の子にモテモテのニシ先輩が、まるで『よわこ』と同じです。そうか、先輩もわたしと同じ『よわこ』だから、デートに誘ってくれたのね。なあんだ!謎が解けたわ。ちぇ。
ユリさんは、東急本店4Fのローラアシュレイに入りました。さすがはイギリス育ち!109じゃないのね!
「見て見て、このワンピース綺麗!」赤いバラの花模様のワンピースを試着して、ユリさんはゴキゲンです。「どう?似合う?」 う~ん…どう考えてもやっぱりヘン。わたしは、思いきって質問しました。「ニシ先輩は、サッカーが上手でカッコイイのに。どうして女の子の服なんか着たいのですか?」こんなこと聞いて、嫌われるんじゃないかと思った。ユリさんは少しびっくりして、それからニッコリ笑って、「ワンピースを着たときのほうが、サッカーのユニフォームを着たときより、ずっと自分を好きになれて、幸せな気分になれるから!」…きっぱりと答えました。
彼女が彼だってこと、お店の人は気づいてたはず。でも、もうそんなこと、どうでもよくなりました。だって、お気に入りのドレスを見つけたユリさんは、誰が何と言おうと幸せそう。「このドレス可愛い!よわこちゃん着てみたら。」フリルのいっぱいついた、お姫様みたいな服をすすめられて試着したけど… どう見ても似合いません。わたしの方が女の子なのになあ… どうやら、幸せになれる服じゃなさそうだ。
帰りにユリさんはスタバでカプチーノをおごってくれて、バス停まで送ってくれました。「よわこちゃん、今日はつきあってくれてありがとう!じゃあね、バーイ。」先輩はそう言ってわたしの両頬に、ほっぺたをくっつけました。外国映画に出てくる、お友達同士のキス。そしてローラアシュレイの手さげ袋を持って、よろけながら人ごみに消えていきました。そのとき渋谷駅が、なぜか一面バラのお花畑に見えました。
 …やれやれ、初めてのデートはこれでおしまい。バスに乗っても、まだウサギの穴から抜け出せない気分。でも、わたしは考えていたのです。昨日までの『舶来王子』より、ユリさんの方が好きかもしれないって。