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よわこのナミビア日記 ⑦

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 12 23rd, 2008   Yowako  

よわこの日記  045
今日も、わたしはよわこです。
スワコップムンドという大西洋に面した町にいます。
ぶるんぶるん… プロペラが回り始めました。5人乗り小型飛行機で、これから砂漠の上空を飛びます。すてき!まるでサン・テグジュペリになった気分!となりにいる母も大はしゃぎです。パイロットが、飛行コースを説明しました。不思議な発音の英語です。彼はアフリカーナと呼ばれる白人で、オランダ語をはじめいろんな国の言葉が混ざったアフリカーンス語を話す人だそうです。うしろを見たら、ドイツ人の大きなおじさんとおばさんが座っています。そういえば乗るまえに体重を聞かれたけれど、あんなに重たそうで大丈夫かしら… 。 ぐいぃぃーん… 機体がふわりと持ち上がりました。すごーい!街がどんどん小さくなっていきます。焦げ茶色の山をいくつも越えると、見渡すかぎりクリーム色の砂漠でした。地面の上に、今わたしたちが乗ってる飛行機の影が映っています。小さくてハエのよう。「着陸とは、自分の影に追いつくことだ」 … 『夜間飛行』の本にあった言葉を思い出しました。サン・テグジュペリも、きっとこんなふうに自分の影を見おろしていたのね! 砂漠はどこまでも続いています。風が砂に描いた模様が、とてもうつくしいデザインです。赤い砂漠がうねうねと続きました。黄色い砂漠がうねうねと続きました。やがて白い砂漠がうねうね……… 「要するに地球のシワなのよね。」 だんだん飽きてきた母は、ぐーぐー寝てしまいました。 うっそー。
そのときです。 「ヒツジの絵を描いて… 」 ふりむくと星の王子さまが座ってました。いつのまに乗ってたの。「ね、ヒツジの絵を描いて!」 これってお話と同じだわ!わたしもお話どおりにやらなくてはいけないかしら… えーと、ただの箱を描いて「ここにヒツジが入ってます。」って言えば喜んでくれるのよね?ところが王子さまは、「それヒツジじゃないよ。オリックスだよ。」と言いました。 …ドキッ!ヒツジと言われて、連鎖的にオリックスのことを考えたかも! わたしは急いで描き直しました。「ここにヒツジが入ってます。」すると王子さまは、「ちがうよ。それは猫だよ。」と言いました。 しまった!今度は日本にいる飼い猫のクアチを思い出したかも。 …うーん、たかが箱を描くだけなのに、こんなにむずかしいとは。「ヒツジ… ヒツジ… 」わたしはいっしょうけんめいヒツジに集中して、今度こそヒツジ入りの箱を描きました。「ここにヒツジが… 」すると王子さまは、「なんだい。コーヒーなんかいらないや!」と、とうとう怒りだしてしまいました。描きながらつい、「スターバックスのカプチーノが飲みたい」 と考えてしまったみたい……。 「はやくしてよ。キツネが待ってんだから。」 ワガママな王子さまね!考えてみたら、本物のヒツジなんて見たことないんだから、ヒツジの入った箱なんか描けるわけがないわ。 …そうだ! ヒツジをやめて、マフラーにしよう。メリノウール100%のあったかいマフラー。わたしは赤いマフラーの入ったつもりの、ただの箱の絵を描きました。すると王子さまは、「ありがとう!ぼくこんなのが欲しかったんだ!」 と言ったからびっくり。鈴のような笑い声をたてて消えてゆきました。
気がついたら着陸体勢です。目を醒ました母に、「おかあさん!星の王子さまに会ったよ!」と言うと、「 ……何ねぼけてんの。ここはナミブ砂漠よ。あれはサハラ砂漠のお話でしょ。」「 ……そうか。」
やれやれ。やっぱりサン・テグジュペリには、なれないみたい。星の王子さま、わたしのマフラーしてくれるかな…

よわこのナミビア日記 ⑥

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 12 01st, 2008   Yowako  

よわこの日記 044
今日も、わたしはよわこです。
ナミブ砂漠の砂丘に登っています。ずぶり、ずぶり、ひい、はあ、 なんでこんなところ登らなきゃならないの… 。 「靴に砂が入るから、イヤ。」「イヤなら脱ぎなさい。」 母がサンダル脱いでずんずんずんずん登りはじめたのでしかたなくついてきました。
ここはソーサスフライといって、高さ300mもある砂丘がいくつも並んだところです。砂の色が赤褐色 … インターネットで見た火星の写真を思い出します。
朝5時半にロッジを出発して、車で30kmくらい移動してきました。運転手はペンディさんという黒人の男の人です。ペンディさんは砂丘に登りません。登って喜んでいるのはヨーロッパから観光に来たドイツ人やイギリス人の団体客。地元の黒い人は、誰も登ってません。トーキョー人が東京タワーに登らないのと一緒かしら。一列になって砂丘を登る人々は、みんなアリのよう。わたしもその1人なんだわ。やれやれ。
裸足になって歩くと、日差しは強いけど砂はまだひんやりして、サラサラしてて気持ちよかったです。けど、だんだん高くなって、 コ、 コワイ… 。トビー・マグワイヤに似た男の人が四つんばいになっています。「ボクは怖くてこれ以上進めない!」と言ってるみたい。スパイダーマンなら怖くないだろうに。「無理しないでリタイヤしていいのよ。」ジャニス・ジョップリンそっくりの女の人がそばで慰めてました。砂丘のとんがったエッジを歩くのは平均台を歩いてるような感じです。きっと広い道なら怖くないのに。どうしよう… わたしも降りようかしら… しゃがみこんだその時、足元をまあるいフンコロガシが歩いてきました。
「何してるんだい。」「砂丘を登っているの。」「なんのために?」「わかんない。ただ、登っているの。」「ふーん… ヒマなんだ。」ヒマで悪かったなと、思ったけれど黙ってました。「どこからきたの?」「日本です。」「そりゃスゴイ!ずいぶん田舎から来たもんだ!」「 …フンコロガシさんは、何してるの?」「スカラベって呼んでくんない?フンコロガシとは失礼な!エジプトでは太陽神といわれてんだから。」「ごめんなさい。」そっちこそ失礼なと、思ったけれど謝りました。たしかに太陽神と言われるだけあって、白っぽい体がきらきら光っています。この虫は太陽の下だと白く、日陰だと黒くなるって、あとでペンディさんが教えてくれました。「スカラベさん、だからきらきらしてきれいなのね。」「ふん。エッジを登るときは、足元じゃなくてなるべく遠くを見て登るんだな。バランスとれっから。」フンコロガシはお尻をあげて、キャタピラみたいな足跡を残しながら行ってしまいました。
教えられたとおりにすると少しコワくなくなって、まもなくてっぺんに着きました。母がいて、「あら、途中で降りなかったのね。エライエライ。」 ニヤニヤ笑っています。ちぇ。娘を置いてって、なにがエライだ。
てっぺんで砂に座ってあたりを見回しました。赤い砂丘が並んでて、ところどころ白く干上がった湖が見えます。真っ黒い枯木がまばらに生えたヒゲみたい… こんなに広いのに誰も人が住んでいません。牛もいないし、畑もありません。不動産の看板もありません。渋谷のハチ公前は夜の10時ごろ、今頃まだ人がぞろぞろ歩いているんだろうな… そう思ったらまた不思議な感覚にとらわれ、頭がクラクラしました。 明日は小型飛行機に乗ります。

よわこのナミビア日記 ⑤

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 10 28th, 2008   Yowako  

よわこの日記 043
今日も、わたしはよわこです。
ナミビアにいます。ウソみたいだけど本当です。ロンドン・ガトウィック空港から飛行機で約10時間。ナミビアの飛行機には映画はありませんでした。
ヴィントフック(首都)からトヨタの白いレンタカーに乗って、350kmくらい移動してきました。ここは、赤い砂丘のあるナウクルフト国立公園のロッジ。まわりは一面、黄色い枯れ草の平原。はるか遠くに、赤茶色の岩山が並んでいます。シーンとして、動くものは何も見えません。まるでスター・ウォーズのセット!
部屋にはテレビがありません。テーブルに殺虫剤のスプレーが2本と、ナフタリンが2個?… と思ったら、サービスのキャンディでした。ガラス戸をあけてお庭に出たら、テーブルと椅子が置いてあって、オリックスがいました。うわー、本物のオリックス!さすがアフリカ!動物園で見るのより、ずっとずっと神々しいオリックス。子どももいるわ、きゃあ、かーわーいーい!
夕食の時間になったので、レストランに行きました。足元にミーア・キャットがすり寄ってきた… と思ったら、フツーのトラ猫でした。アフリカにも、フツーの猫がいるのね。食事はビュッフェ形式。ジャガイモのクリームスープ、野菜、パン、チーズ、ライス、肉、デザートも山ほどあって、食べきれないほどお皿にのっけたもんだから、またしても腸詰。カレー味で煮込んだお肉がとっても美味しかったです。 …ところがあとで聞いたら、ガガガーン! … オリックスのお肉でした。 うえ~、もしかしてお庭にいたやつかも… うう、やはり弱肉強食の世界。
部屋にもどるとき、外は真っ暗。夜空を見上げてびっくりしました。星星星星星… 気持ち悪いほど空がびっしり星で埋まっています。さそり座以外は見たことのない星座ばかり。天の川が流れる地平線すれすれに南十字星が見えます。わたしは家にいる父とクアチを思い出しました。今頃、お昼ごはんを食べてるかしら。今見てるこの星空が日本のわたしの家から見える空につながってる… そう考えただけで、頭がクラクラするほど不思議な気持ちでした。
明日は砂漠に行きます。

よわこのナミビア日記 ④

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 10 25th, 2008   Yowako  

よわこの日記 042
オダワラ先生、レポート提出します。
ロンドンとトーキョーのちがうところはいっぱいありましたが、
同じところはあまり思いつきませんでした。

宿題レポート① ロンドンまとめ
ロンドンとトーキョーの同じところ
01 車は右ハンドルで左側通行。
02 三越デパートがある。スターバックスがある。ケンタッキー・フライドチキンもある。
コンビニはない。
03 ミイラを見るときの目つき。
ロンドンとトーキョーのちがうところ
01 古い建物が多い。街によってヴィクトリア朝だったりエドワード朝だったり、開発された時代によって様式がちがうらしいが、みんな同じ『古い建物』に見えた。
02 エスカレーターに立つ人は右。歩く人は左。(オーサカと同じ)
03 並木道や公園の木が大きい。枝や葉っぱを整えていないので自然な感じ。
04 歩行者はみんな信号無視。車が来なければ、赤でも渡る。
05 信号を渡るとき、道路に『LOOK RIGHT』か『LOOK LEFT』と書いてある。車がどっちからくるか、ほかの西欧人が間違えるからだろうか?
06 地下鉄やバスの中で、メールをする人がひとりもいなかった。化粧する人もいなかった。
07 切符の自動販売機が喋らない。「領収書が出ます」とか言わない。
08 おじさんが女性のためにドアを開けたり、道をゆずったりする。
09 おばさんが列を割り込まない。
10 ホテルのボーイさんにチップを渡さなくてはいけない。…ドキドキした。
11 都心に車を乗り入れるのに、お金をはらわなくてはいけない。渋滞を防ぐため。
12 皇居はない。宮殿はあるが、お堀で隔離されてない。
13 東京タワーはテレビ塔だけど、ロンドンタワーは元牢獄。
14 ビートルズやTREXやレッド・ツェッペリンを聴いたら街の風景とぴったり。JPOPを聴いたら、ぜんぜん合わなかった。

よわこのナミビア日記 ③

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 10 11th, 2008   Yowako  

よわこの日記 041
ロンドンでも、わたしはよわこです。
これから、大英博物館に行きます。地下鉄の入り口でツイードを着た白ウサギが「大変だ、大変だ!」ケータイ片手に、慌てて階段を駆けおりていきました。そのあとを、ゴスロリ風の女の子が追っていきます。やれやれ、今日もいろんな人に会いそうだわ…。
大英博物館は神殿みたいに立派なのに入場無料。みんなの寄付で運営されているそうです。エジプトの部屋に入ると、『ロゼッタ・ストーン』は人だかり。背伸びしても見えません。ほかにもファラオの石像、石柱、レリーフがいっぱい。こんなによその国から持ってきちゃって大丈夫かしら… 。ギリシャの部屋はパルテノン神殿の首のない石像がずらり。着てる服の彫刻が細かい!しわの1本1本に、全エネルギーを注いでる感じ。きっと顔より力入ってます。メソポタミアの部屋は、『王のライオン狩り』のレリーフ。迫力あるけど、1頭のライオンを大勢でよってたかって殺すなんてずるい。こんなことして強さを誇示するなんて!まったく王様ってろくなもんじゃないです。それにしても膨大な数の発掘品。まるでインディ・ジョーンズ… と思ったらやっぱりいました。「ハロー!私のテーマ曲歌えるかい?」「え? えーと… たしか ♪♪♪♪~」「それは『スーパー・マン』のテーマ。じゃあね!」まぎらわしいテーマ曲… 。 さあ、今度は誰が現れるかしら。こうなったら誰が来たって怖くないわ!「本当かい?」と振り向いたのは… ひえ~~~~~、ミ、ミ、ミイラ男!お願いだから、来ないで~~~。 ミイラ男は「ちょっと、聞いてよお!」と、追いかけてきます。「やってらんな~い!死んでから、さらしものになるなんて!いったい何の意味があるの!」「はあ。たぶん学術的な意味が… 。」「嘘ばっかし!見世物小屋と一緒よ!大人も子供も、世界中の人間が好奇の目でアタシを眺めていくの。人の気も知らないで!これでも人間よ!」…もしかしてミイラ女? たしかに気持ち悪いものを見る人々の目って、みーんなランランと輝いてるかも。かわいそう… 死んだあとの自分がガラスケースで展示されるなんて、わたしだって絶対イヤです。「絶望しないで… ムンクが有名な『叫び』を描いたのは、パリの博物館でミイラを見たおかげだって言う人もいるわ。」「 … 」「『プレスリーVSミイラ男』って、人気カルト映画だってあるし。」「 … 」ミイラは黙ってひたひたと立ち去りました。最後に世界のコイン・コレクションを見て外に出ました。
それからエルキュール・ポアロに道を教えてもらって、ロンドン・アイに乗りました。世界一大きい観覧車です。30人くらい乗れる大きなゴンドラが、ゆっくりゆっくり空へ昇っていきます。テームズ河を挟んだ向こうに、ウエストミンスター寺院やビッグ・ベン、ダイアナ妃が結婚式をしたセント・ポール大聖堂も見えます。「空を見ろ、鳥だ!飛行機だ!」と誰かが言ったので、よく見たら時計台のてっぺんからピーター・パンが手を振ってました。
…明日はいよいよ、ナミビアに出発します。

よわこのナミビア日記 ②

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 09 26th, 2008   Yowako  

よわこの日記 40
今日も、わたしはよわこです。
目が覚めたら、ロンドンでした。ねむい… 飛行機で映画見すぎたせい。母はお友達のサナエおばさんと、遊びに行ってしまいました。ひどいわ、置いてくなんて…!あ~、つまんない。窓の外は曇り空。古い建物の屋根を、ねずみ色の雲がおおっています。煙突の向こうから、コウモリ傘をさしたメリー・ポピンズが飛んできそう …と思ったら、ほんとうに飛んできた!「Welcome! YOWAKO~!」 うっそー!素敵!さすがロンドン!どこへ行きたいか聞かれたので、「アビー・ロード!」と答えたら、地下鉄の乗り方を説明してくれました。なあんだ、指をぱちんと鳴らして連れてってくれるんじゃないんだ… 。地下鉄駅で5ポンド払って、デイ・トラベルカードを買いました。これさえあれば、バスも地下鉄も1日乗り放題です。サークル・ラインに乗って、ベイカー・ストリート駅で乗り換えようとしましたが、よくわかりません。すると、黒服を着た二人連れのおじさんが、「お嬢さん、アビー・ロードに行くなら、ジュビリー・ラインに乗りなさい。」「えっ。わたしがアビー・ロードに行くって、どうしてわかったの?」「ふふ。私には何もかもお見通しなのだよ。ねえ、ワトソン君。」「いや~お見事。ホームズ君」 …シャ、シャーロック・ホームズだったのか… 。
セントジョンズ・ウッド駅で降りて、高級住宅地をとぼとぼ歩いたらアビー・ロードに出ました。横断歩道はいっぱいあるけれど、ビートルズが渡ったのはどれかしら…?すると今度はアタッシュケースを持ったおじさんが、「お嬢さん、探し物?」 サングラスをはずしたら、なんと!…ジェームズ・ボンドです!「君の目の前にあるのが、有名な横断歩道だよ。」「え?ジャケット写真と違いますけど…。」「駐車禁止の白線だらけだからね。みんな車を止めて見物するんで困ったものさ。」と、なぜか若山弦蔵さんの声。アタッシュケースからリモコン出して、ボタンを押したとたん、銀色のアストンマーチンが飛んできたのでびっくり。「じゃあね!」 …颯爽と走っていきました。
ビートルズと反対方向に横断歩道を渡ったら、アビー・ロード・スタジオがありました。白い塀にファンの落書きがびっしり。世界中の人々の想いが、長い年月をかけて今も刻まれているのです。やっぱりビートルズは偉大なのね… 。誰かが、ギターを弾きながら『カム・トゥゲザー』を歌っています。わー上手。ジョンにそっくり… と思ったら、 げげげっ!ジョン・レノンだわ!本物だわ!なのに、みんな知らん顔して通り過ぎていきます… 。「Hi YOWAKO!」 ジョンさんが言いました。「僕のメッセージ、日本のみんなに届いているかな?」「さ、さあ… でも、母のお友達の中川五郎さんが、『イマジン』を日本語で歌ってます。著作権料払ってないみたいですけど… 。」「それならI’ts OK!」 心臓止まりそう… 帰ったら、五郎おじさんに教えてあげなくては!
横断歩道を渡ってふり向くと、ジョンさんはもういませんでした。リージェンツ・パークを歩いて、バスで帰りました。やれやれ。おかげで、『地球の歩き方』を見なくても大丈夫みたい。 …明日は大英博物館に行きます。

よわこのナミビア日記 ①

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 09 20th, 2008   Yowako  

よわこの日記 039
今日も、わたしはよわこです。
出発の朝、父が車で成田空港まで送ってくれました。飛行機乗るのは、はじめてです。空港の空気って、なんかけだるい… 。みんな眠たそう。壁から、「やる気なくなるガス」を出してるみたい。テロ対策かしら。「じゃあ、行ってくるね」「気をつけて」 突然、母がぽろぽろ泣き始めました。「…お父さんのいないアフリカなんて、つまんない!」 お、お母さんたら…!自分から、「アフリカに夕陽を見に行く」なんて言い出したくせに…!夕陽なんて、うちからだって見えるのに…!わたしもつられて泣いてしまいました。ほんとうは行きたくなかったからです。だいたい飛行機だってはじめてなのに、いきなりアフリカなんてスゴ過ぎます。「空港や駅での別れって、苦手。心のどこかで、もう会えないかもしれないって思うの。映画の見すぎかもしれないけど… 」 母もわたしも、これが父と会える最後のような悲愴感の中で、搭乗手続きに進みました。ガラス越しで父が心配そうに、いつまでも手をひらひら振っています。わたしもお父さんと帰りたい… うるる。
ロンドン・ヒースロー空港行き、ヴァージン・アトランティック901便。飛行時間は12時間くらい。出発前の、救命胴衣や酸素マスクを説明するアニメーションが可愛くて面白かったです。さすがはヴァージン!父の好きなNexus Productions製作だわ! 帰ったら教えてあげなくては… 。母は、「見てみてっ!『アイアンマン』よっ!『インディ・ジョーンズ4』よっ!さすがヴァージンね、きゃっきゃっ。」 さっきの涙はいったい何だったのだろう…やれやれ。
飛びたってから窓の外はずーっと真昼、まるで太陽を追っかけているよう。ロンドンとの時差は、サマータイムで8時間。ナミビアは冬時間だけど、同じく8時間です。8時間前に向かって飛んでいくなんて、不思議な気分!機内食は昼兼夕食に野菜のキッシュ、サラダ、パン、チーズ、クラッカー、紅茶と甘いケーキ、夜食にアイスクリーム、朝食にオムレツ、ヨーグルト、パン、ジュース、コーヒーとケーキが次々と出ました。母は3杯目のワインをおかわりしながら、「全部食べなくていいのよ。食べ過ぎると降りるとき腸詰になるからね。」… 結局ふたりとも全部食べて、おなかは腸詰でした。映画は『アイアンマン』と『ジャンパー』と『ペルセポリス』と『ベガスで何が起こったか』を見て、『カンフー・パンダ』を見てる途中で、着陸態勢。え~?もうロンドン?… ちぇ。つづきは帰りに見ようっと。

よわこ生還

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 09 08th, 2008   Yowako  

よわこの日記 038
今日も、わたしはよわこです。
アフリカから、母と一緒に無事帰ってきました。東京は暑い…です。蒸し暑いです!日本に帰って、はじめて美味しいと思ったのは麦茶でした。ぐびぐび…ふう。
空港に迎えにきた父が、びっくりして「ふたりとも象みたいだ」と言いました。真っ黒に日焼けした上に、お肌が乾燥してガサガサだったからです。黒い人たちのツヤツヤしたきれいな肌は、きっとアフリカの太陽に、ふさわしくできているのだと思います。とにかく生きて帰れてよかった…!
パソコンを開いたら、母は新しいメールが50通もたまっていて、「あーたいへん。返信しなくちゃ!」と大騒ぎ。わたしのは、1通もありません。わたしって、友達がいないのかも……。気がついたら猫のクアチがずっと足元にくっついたまま、はなれようとしません。そうか、クアチはわたしの友達。淋しかったんだね、ごめんね。
次の日学校に行ったら、担任のオダワラ先生が「風邪で休んだのに、おまえはなんでそんなに日焼けしてるんだ?」
正直に話したら怒られて、罰としてナミビアの感想文を宿題に出されてしまいました。 やれやれ。
…そんなわけで、次回からロンドン経由ナミビア旅行の感想文を書きます。