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群集心理

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 02 20th, 2010   Yowako  

よわこの日記71
今日も、わたしはよわこです。
現代社会のムラタ先生が、『群集心理』のお話をしました。ル・ポンという人が書いた本によると、「ある刺激の下に組織された群衆は、感情思想の同一方向への転換という特徴を示す。個人の知能、個性は消滅し、『集団的精神』に支配され、そのような精神を体現化した指導者に屈服する」らしいです。…オソロシイ!わたしは群衆にならないよう気をつけよう。
放課後、クラスの女子が話しかけてきました。「よわこちゃん、『アバター』みた?」「みてない。」「え~!まだ見てないの?!信じられな~い、あたしなんか 3回も見ちゃった!」「あたしは2回見たわよ!すっごいよねー、3D!」「やっぱ、アイマックスでなくちゃねー。」「……」 べつに観たくなかったのに、みんなが面白いって言うとなんとなく観たい気がしてくる。おっとアブナイ、これって『群集心理』かも! 「わたしは『アバター』なんて絶対見ない。青いのは生理的にダメなの。」「へぇ~、よわこちゃんて変わってる~!」 変わっててどこがわるいと思いながら教室を出たら、同級生のトモコちゃんが声をかけてきました。「よわこちゃん、カッコイイ!私も『アバター』なんか見ない!あなたに賛同するわ!」「…賛同なんて…オオゲサな…」「じゃあね!」
家に帰ると父がいました。「『アバター』のチケットあるんだけど一緒に行く?」「え…!」「アイマックスだよ。」「いく~♪」…あーあ、わたしもやっぱり群衆のひとり。
父と川崎ラゾーナに行きました。アイマックスの映画館は日本に4館しかないそうです。どうりで行列です。「よわこ、なんでサングラスかけてんの?」 クラスの女子に会ったらハズカシイから、わたしは変装してきました。「そんなのかけなくてもメガネ貸してくれるよ。」 劇場に入ると、黒い3Dメガネが配られました。 ♪パンパカパーン~、20世紀FOXのテーマとともに映画がはじまりました。わわわわわ、すごーい!100メートル先まで見えてる感じ。字幕が宙に浮かんで手が届きそう!映像が飛び出してくるというよりも、こちらが映像の中へ飛び出しそうな迫力です。
映画は青い人々の群衆が、自然を守るために強大な軍隊と戦うお話でした。群衆同士の戦いです。よその星なので、人間がエイリアンなのが面白かったです。主人公の男の人は、ながーいおさげ髪の先を巻きつけて、動物や自然界と『絆』を結びます。あんなに一瞬で絆が結べるなんて…ドラえもんのポケットね。あんなのあったらいいな、っていう世界。まるでディズニーランドで、3時間ぶっとおしでアトラクションに乗りつづけた気分。
「あー面白かった!3Dって、一度は味わっておくべきね!『群集心理』もたまにはいいもんだわ!」 メガネをはずしたら…あ。 出口のところでポップコーンのカップを捨てているトモコちゃんがいました。やれやれ!

オーロラ自慢 2

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 02 02nd, 2010   Yowako  

070
今日も、わたしはよわこです。
オーロラを24時間生中継していること、さっそくカミヤマダさんちのおばあちゃんに教えてあげなくては! …というのも、おばあちゃんは腰の痛みでオーロラを予測するという特技があるらしいのです。
お向いのカミヤマダさんの家に行ったら、おばあちゃんがちゃぶ台でお茶を飲んでいました。「今日はいいお天気だねえ。磁気嵐はなさそうだ。ほっほっほっ。」「おばあちゃん、見て見て!」 わたしは持ってきたノートパソコンで、『Live!オーロラ』のサイトを開けてみせました。 雪の平原が映っていますが、空は曇っていてオーロラは出ていません。スピーカーからごそごそと、風の音がしています。アラスカの風です。「アラスカもいいお天気だねえ。磁気嵐はなさそうだ。ほっほっほっ。」「おばあちゃんたら。曇ってるのに。」「このテレビはオーロラを呼べないのかい?」「???」 やっぱりヘン。もしかするとおばあちゃんは、”遠いところに行ってしまった人”なのかも。 「呼べないけど、でもスゴイんだよ!携帯電話をこすって、東京からアラスカのカメラを操作できるんだよ!」 きのう新宿のコニカミノルタプラザで見てきたことを、わたしはちょっと自慢げに教えました。すると、「これかい?」 おばあちゃんが仏壇の中からiPhoneを取りだしました。「え!…ま、まさか!おばあちゃんも?!」「ふふん、あたしのはもっとスゴいよ。」 そう言って iPhoneをすーっとなでると……、ひえええっ!なんとパソコンからオーロラが…四畳半の部屋に流れ出して、ひらひらダンスをはじめたのです!白い大きなうねりが天井いっぱいに広がって、パアッとはじけて、まるでディズニーの妖精たちがくるくる飛び回ってるみたい!赤や緑に光りながら、流れ星と一緒に踊っています。 すてきー!父と母が見たオーロラも、きっとこんなふうだったのね!
「うーいたたた。ほんとは太陽のフレア活動を静めるために使うんだけど。うー腰が痛い。」 そう言ってまたiPhoneをなでると、オーロラはみるみる消えていきました。「す…3D。スゴすぎる…」「ほっほっほっ、あたしの星ではあたりまえのことよ。」 …やれやれ!おばあちゃんは、”遠いところからやって来た人”だったのです! 「ご近所にはナイショだよ。よわこちゃんもあたしも、ボケたと思われるからね。ほっほっほー。」

オーロラ自慢

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 01 21st, 2010   Yowako  

よわこの日記069
今日も、わたしはよわこです。
親戚のヤヨイおばさんが、アラスカへオーロラを見に行ってきました。満天の星の下、温泉入ったりして楽しみましたが、残念ながらオーロラはボンヤリ白いのしか出なかったんだって。「よわこちゃん!それでもオーロラがでっかいってことだけは、よーくわかったわ!」「ふうん…」
父と母はその話でもちきりでした。二人はわたしが生まれるまえに、カナダのイエローナイフというところで、爆発的なオーロラを見たのです。
母:「着いた夜はマイナス38℃だったの。」 父:「鼻毛がぱりんと凍った。」 わたし:「……」 父:「バンクーバーで飛行機乗り換えて、エドモントンで乗り換えて、北極に近づくにつれ飛行機はだんだん小さくなるのに、搭乗員の女性はだんだん大きくなった!」 母:「そうそう!地元の人が機内で飲んでたスペシャル・コーヒー、おいしかったわねー」 父:「ウィスキーと生クリーム入りのコーヒー。暖まったなー」 わたし:「……」 母:「オーロラ、スゴかったよねー」 父:「スゴかった。星もきれいだったし。」 母:「北の空に白い塊があってね、だんだん近づいてきて踊り出すの!最初はひらひらしてたのが、突然くるくる跳ねあがったり。」 わたし:「……」 父:「あんなに早く動くとは…まるで人工物、CGとしか思えなかった!」 母:「そうそう!映画の『ポルターガイスト』そっくりだったわ!」 わたし:「……」 母:「ところどころ赤や緑に発光しながら、気がついたら巨大なクラゲみたいなものが頭の真上に移動してね、空がバックリ割れたようになるの。その割れ目から、自分に向かって光の束がうわあ~って降ってくるのよ!恐ろしい美しさだったわ!」 父:「360°オーロラで首が痛かったなー」 母:「ねー」 父:「ねー」 わたし:「……」
ちぇ。二人とも自慢話ばかり。ついていけません…。だいたいオーロラって、現地の人には不吉なしるしだったっていうじゃない。そんなものを、なぜみんなわざわざ寒い思いをして見に行くのかしら!

くやしいから、ひとりで新宿へ『宇宙から見たオーロラ展』を見に行きました。スペースシャトルから撮ったオーロラの写真は、まるで地球に火が点いたみたいでした。真っ暗な部屋で、ガスレンジの青い炎を見てるような感じ。となりの部屋では、『地球から見たオーロラ』の写真もいっぱいありました。おもしろーい、吹流しみたいのや、クラゲみたいな形もあります。たしかにこれならCGですぐ作れそうだわ!ヘッドホンで『宇宙の音』を聞いてみたら、鳥がいっぱい鳴いてるみたいでした。同じ部屋で、オーロラ生中継をやっていました。アラスカに設置したカメラから、東京の三鷹を経由して映像が届くそうです。エンジニア・クリエイターの古賀祐三さんが解説しながらiPhoneをなでると… おおっ!画面が動いたのでびっくり!アラスカのカメラをiPhoneで動かせるなんて、オーロラよりスゴイかも!このオーロラ生中継は、インターネットで24時間見られるそうです。…なあんだ!飛行機乗らなくても見られるんじゃない!~♪
家に帰って、早速『Live!オーロラ』のサイトを見ました。小さい画面の星空に、白い煙がモヤモヤしています。え。…これがオーロラ?どう見てもただのモヤモヤにしか見えません。なのに、 母:「おとうさん見て見て!オーロラよ!」 父:「これはかなり爆発してるなー」 母:「きゃーすごーい!すてきーーー!」 わたし:「……」
やっぱりホンモノ見てないとダメみたい。やれやれ!
『宇宙から見たオーロラ展』は2/1まで、新宿のコニカミノルタ・プラザでやってます。

ボナペティ!

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 01 09th, 2010   Yowako  

よわこ068
今日も、わたしはよわこです。
お正月は、家族3人で映画に行きました。
父と母の好きなノーラ・エフロン監督の、『ジュリー&ジュリア』。1949年のパリと2002年のニューヨーク、時空の違う2人の女の人が、お料理をすることによって繋がり、それぞれの夢をかなえていくお話です。
ジュリアは大きな女の人。外交官の奥様なのに男ばっかりのコルドン・ブルーに入学して、有名な料理研究家なった人。ジュリーは小さな女の人。ジュリアの大ファンで、彼女のレシピを1年で500以上再現する、お料理ブログに挑戦します。
2人の共通点は、食べることが大好きなことと、優しい夫がいること。困ったときはどんなにワガママ言っても、ダンナさんが助けてくれます。いったいどうしたら、あんなに優しい男の人とケッコンできるのかしら…。特にジュリアの時代は、女の人が自由じゃなかったみたい。なのに、女の人が自由にふるまうことを止めたり意地悪するのは、男の人よりむしろ女の人のほうだったのが、興味深かったです。
映画の中に、フランス料理を作って食べるシーンが、ふんだんに出てきました。ブリーチーズ、舌平目のムニエル、ロブスター、茹でたアーティチョークにバター、サーモンのポワレ、子牛の赤ワイン煮込み(ブフ・ブルギニヨン)、鴨の骨抜きハーブ詰めロースト、ラズベリーババロア、チョコレートクリームパイ…うう、わたしもクリーム舐めたい…。母がイラストを書いた映画『ねこのひげ』も、食べるシーンがいっぱい出てきて、お蕎麦や日本酒を飲んでみたくなったけど、こちらはスクリーンから白い湯気とリッチなバターの匂いが流れてくるようです。
映画のあと母は、「お腹へった!なんか食べたい!…でも困ったわ、何を食べたらいいの?ごちそう見たあとにお好み焼きやラーメンはイヤだわ!」すると父が、「急に料理が作りたくなった。帰ろう。」と言うので、うちに帰って食べることにしました。お料理の映画を観たあとで、『食べたくなる母』と、『作りたくなる父』の違いは、どこからくるのだろう…。わたしはというと、「一度でいいから、本物のフランス料理が食べてみたい!」と思いました。ほんとうは「今すぐ恵比寿のロブションにつれてって!」と言いたかったですが、とても高そうだからやめました。
父が作った料理のメニューは、冷蔵庫に残っていた生ハムとリーフ・レタスとプチ・トマトのサラダ、サーモンとアボカドと生クリームのスパゲッティ。 「ボナペティ(さあ、召し上がれ)!」 わーい、おいしい!フランス料理じゃなくても、おいしいものを食べると、みんな幸せな顔になります。…そうか、映画の夫たちがあんなに優しかったのは、彼女たちが毎日おいしいごちそうを作ってあげたからなのね!わたしもお料理が上手になれば、どんなにワガママ言っても助けてくれる優しい人とケッコンできるかもしれない! …と思ったら、料理がヘタなうえにワガママな母が言いました。 「あーおいしかった!食べることが大好きなのと優しい夫がいるのは、あたしもおんなじね。♪ うふふー。」 
…ごちそうさまでした。やれやれ!

067
新年の抱負を書きます。
父は、「去年は仕事に明け暮れて過ぎた。今年もきっと仕事に明け暮れるであろう。」
母は、「去年は最高に幸せな半世紀バースディを迎えられた。今年も最高に幸せな半世紀+1バースディを迎えたい。」
わたしは、去年もよわこでした。今年もきっとよわこです。
今年も、よわこドットコムをよろしくお願いします!

みなさま、よい年でありますように。

不可解な現象

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 12 21st, 2009   Yowako  

よわこの日記66
今日も、わたしはよわこです。
外に出たら、木枯らしがぴゅーっと吹いてきました。「うー寒い寒い!」するとお隣のハタヤマさんちのおばさんが、「暑い暑い!」と言って駆けてきました。「こんなに寒いのにどうして?!」「うふふ。よわこちゃんも、大人になればわかるわ。」 聞くと、ハタヤマさんちのおばさんは、コウネンキショウガイなのだそうです。女の人はコウネンキになると、突然体がほてって、暑くなることがあるんだって。人によっては頭痛がしたり、血圧が上がったり、体の異常がおきてタイヘンみたいです。知らなかった…そういえばうちの母も、「腰が痛い」ってよく言ってるけど、もしかしてコウネンキショウガイかも。
「痛い痛い!」今度は、お向かいのカミヤマダさんちのおばあちゃんが、立ち止まって腰をたたいています。「おばあちゃんも、コウネンキ?」するとおばあちゃんは首を振って、「いーや。地磁気のせいだよ。」と言いました。「?…チジキ?」「太陽のフレア活動が活発になると、腰が痛くなるのよ。」「???」「年をとると宇宙の変化に敏感になるからね。よわこちゃんも、年をとればわかるわよ。」カミヤマダさんちのおばあちゃんは、毎日かかさず宇宙天気予報を見ているそうです。「膝のあたりもなんとなく疼いてきたね。今夜あたり、アラスカではオーロラが見られるかもしれないよ。じゃあね。」杖をつきながら、歩いて行ってしまいました。
やれやれ、大人になると、不可解な現象がいっぱい起こるらしいです。

らいじょうぶ

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 12 09th, 2009   Yowako  

よわこの日記65
今日も、わたしはよわこです。
12月になると、ヨッパライ星人がうようよ。夜の渋谷は並木の電飾がピカピカきれいだけど、ビルの影、駅のホーム、電車の中、今日もどこかにヨッパライ星人が…。
ときにはしゃがんでいたり眠っていたり、倒れています。近づくと、ほえたり、泣いたり、暴れるので危険です!ヨッパライ星人の足は弾力性があるので、もつれながら歩きます。武器はアルコール火炎、さらに強くなるとエイリアン、またはゴジラと戦ったバイオ怪獣ビオランテのように、強酸性のゲロンパ体液を吐き出します。
異星人の監視を行う秘密組織MIB(メン・イン・ブラック)によると、ヨッパライ星人はヨッパライ語をしゃべるので、すぐ正体がバレます。
ヨッパライ語の特徴:
1. 同じ話をリピートする。
2. 人の話を聞かない。
3. ダ行がラ行に変換される。
うちの母も、しょっちゅうヨッパライ星人になります。母:「ねー聞いて、聞いて、聞いて、聞いて!聞いてったら~!」私:「…おとうさん。おかあさんが大声でさわいで、テストの勉強できないよ。」父:「さっきからおんなじこと言ってんの。聞かなくていいからイヤホンしてなさい。」 父はヘッドホンをして、お仕事してます。「聞いて、聞いて~!」 自分のことばかりひとりでしゃべって、母はグーグー寝てしまいました。母はヨッパライ星人になると、なんだか幸せそう。でも、父のご機嫌は悪くなるので、わたしはハラハラします。お酒が原因でリコンしたらどうしよう…。
次の朝、「今日は飲み過ぎないでね。酔っぱらって大声だすのは、見ていて恥ずかしいからやめてくださいね。」「ハイ。…頭イタイ。ごめんなさい。もうしません。」 父に言われて、母はめずらしくしんみょうです。が、夜になると…。
「たらいま~!よわこ~、帰ったわよ~!」「おかあさんたら、またそんなに飲んできて…だいじょうぶなの?」「らいじょぶ、らいじょぶ、酔ってなんかないよーら。」「うそばっかし。お酒クサーイ!おとうさんに怒られてもしらないから。」「♪らいじょーぶ!らいじょーぶらったらー!」 見ると、母が庭の柿の木に登って叫んでいます。「らいじょーぶらよー!おつきさまーー、よわこもー、おとうさんもー、みーんな、らーーーいすき!きゃっ、きゃっ、きゃー」
ちっともだいじょうぶじゃないみたい。だれかとめてください。やれやれ!

星に願いを

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 10 24th, 2009   Yowako  

よわこの日記064
今日も、わたしはよわこです。
同級生のうらこちゃんが、ゆうべ家でオリオン座流星群を見たそうです。20分くらいの間に6個も見えたんだって! 「白いリボンみたいに、流れてゆくの。うつくしかったわ!まる宇宙とつながった気分。」 …すてき!わたしも宇宙とつながってみようっと。
午前0時。コーヒーのポットとクッキーの缶を持って、ベランダに行きました。東京の夜空は、なんて明るいの。コーヒーの湯気の向こうは、赤黒い空ばかり。あ!…頭の上を、何か飛んでいきました。流れ星じゃなくて、ハトです。あーびっくり。ずいぶん夜ふかしなハトね!
「流れ星、出るかな~。」 だんだん目が慣れて、星がぶつぶつ見えてきました。シリウスが見えます。赤い火星も見えます。オリオン座のみつぼしや、おうし座のスバルも見えました。風にちらちらまたたいて、星たちがおしゃべりしているみたい。「ばっかみたーい。流れ星じゃなくたって、星はあるのにねー。」 「そーよ、そーよ!」「あたしたち、こうして毎晩光ってるのにねー!」 …げげ!ほんとにしゃべってる…。「こないだの日食すごかったわねー。テレビ見た?」「衛星放送ね。うちは電波届かないの。」「こんどはオリオン座流星群ですって?」「あんなの、たった3000年前にハレー彗星が吐き出したチリよ。彗星のうんこみたいなものよ!」 …う、うんこ。宇宙とのつながりが…。
うんこじゃなくて、流れ星はちっとも出ません。だんだん首が痛くなってきたわたしは、『困ったときは、シリウスに向かって助けを呼べ』というトンボの言葉を思い出しました。「シリウスさん、流れ星を見せて!」「いいよ。」「わーい!」 …ところが、待ってもいっこうに飛んできません。 「あのー、流れ星は?」「出るよ。17年後。」「え…」シリウスは8.6光年だから、願いごとがかなうまで往復(8.6年×2) かかるとのことです。…ちぇ。
「流れ星、出ないな~。」 いつのまにか父も見にきていました。母もいました。クアチもいました。「寒くなってきたね。」父がくしゃみをしたとき、あ!オリオン座付近で、白いものがぱっと光って消えました。「見えた…」「今の流れ星?」「ちっとも流れなかったわ。」「ニャア~(つまんない)」 …がっかりするくらい、あっけない流れ星でした。あとで調べたら、見る方向が違ってたみたい。放射点に近いと、こちらに向かって落ちてくるから、うんと短く見えるんだそうです。「…白い鼻毛だな。」 父がぽつりと言いました。オリオンのはなげ…うう、宇宙とのつながりが…。
クッキーの缶がカラになるまで空を眺めつづけて、見えたのはたった1個。一瞬だけど、3000年前の星のかけらです。次の日は、首のうしろが痛くて整骨院に行きました。やれやれ!