あちこたねぇ
Single
shiro
Maxi Single
宮原芽映
Port・fo・lio
MariPosa
2枚ワンセット
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よわこ、ライブに行く

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 07 15th, 2007   Yowako  

よわこ d005
今日も、わたしはよわこでした。
父と、中島卓偉さんのコンサートに行きました。ライブに行くのは初めてです。母のライブは行ったけれど、ステージも客席もおじさんばかりで、みんなシーンと聴いていました。今日はノリノリのロックです。わたしもみんなと一緒にノラなくては…ゆうべ「ウッドストック」のDVDを見て研究しました。ところが。Shibuya O-East に行くと、わたしたちの席は2階、まわりはまたしてもおじさんばかりです。やれやれ。みんな”GUEST”と書かれたステッカーを貼りつけて、坐って聴いています。しかたなくわたしもじっとしてましたが、「ひとりでは踊れない自分」が、つまらなかった。1階は、スタンディングでノリノリ。卓偉さんがかっこよくギターを弾きながら歌うと、「タクイ~!」と女の人たちが叫び、男の人たちも低音で叫びました。サビになるといっせいに手をヒラヒラ振るので、上から見ると、てのひらのお花畑みたいだった。ポケットの中で、ゲコが「あれは宇宙と交信しているのか?」と聞くので、「そうじゃないけど…、そうかもしれない」と答えました。あそこに行けば、わたしもみんなとヒラヒラできるのに、淋しかったです。でも、たったひとりであそこにいるのは、もっと淋しいかもしれない。もしも、たったひとりでも踊る勇気があれば、わたしも卓偉さんのようにかっこよくなれるかしら?…気がついたら、アンコールが終わってました。♪「ぼ~くは、きみ~のオモチャ~」父と歌いながら、「つな八」でてんぷら定食たべて帰りました。…渋谷の交差点は、今日も人がいっぱい。みんな遊び疲れて、はげたペディキュアみたいでした。

長~いおは《な》し

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 07 05th, 2007   Yowako  

よわこ d004
今日も、わたしはよわこでした。
母のお友達のスーイーさんが、こんな話をしてくれました。「天国と地獄で、同じごちそうが出されました。どちらもそれを、長~いお箸を使って食べなくてはなりません。地獄の人々は先を争って食べようとしますが、つかみ合いになった上にお箸に口が届かないので、誰一人食べることができませんでした。天国の人々はというと、彼等はごちそうを箸でつまんで、他の人たちに食べさせてあげたのです。そうしてみんなが皆、食べることができました。」なるほど。同じ条件でも、考え方の違いで人々は幸せになったり、不幸せになったりするのです。親戚のアンサンおじさんが遊びにきたので、この話をしてあげると、「なにお~?そんな面倒な箸、折って使え。寿司は手で食いねぇ!」と、二言で片付けられてしまいました。やれやれ。これだから江戸っ子は…。その夜、わたしは夢を見ました。神様が2mもある長~いギターをみんなに渡して、「これで “Smoke on The Water”を弾きなさい」と言うのです。わたしは汗びっしょりで目が覚めました。・・・夢でよかった。

まわりのこと見えない星人

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 06 30th, 2007   Yowako  

よわこ d003
今日も、わたしはよわこでした。
でも、勇気を出して学校へ行くことにしました。駅に着くと、くちばしのある人が結構たくさんいるので、ホッとしました。なあんだ…と、ちょっとがっかり。わたしだけが特別ってわけじゃないんだわ。それどころか尻尾があったりタテガミがあったり、中にはセイウチのような長い牙がはえた人もいて、みんな「私は普通です」って顔して電車を待っていました。カタツムリみたいなおじさんにぶつかって、びっくりして口ごもっていたら、「近頃の若い娘は…」と、角を出して睨まれてしまいました。次にウサギの耳を持った女の人がぶつかってきて、「ごめんなさい」と言ったのに、無視されてしまいました。ぎゅうぎゅう押されながら電車に乗ると、今度は乗客が全員宇宙人でした。彼らは携帯電話やノート・パソコンや鏡やイヤホンを使って、密かに遠い星と交信しあっています。そのときポケットからヤモリのゲコが顔を出して、彼らは「まわりのこと見えない星雲」からやってきた「まわりのこと見えない星人」なのだと教えてくれました。やれやれ。もしかして、地球はへんてこな生き物に侵略されてしまったのだろうか? …学校行くのも、たいへんです。

くちばし家族

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 06 24th, 2007   Yowako  

よわこ d002
次の朝も、わたしは「よわこ」でした。
部屋の中はいつも通りだし、昨日あんなに驚いていたクアチは、何もなかったようにごはんを食べ、いびきをかいて寝ています。こうやって「異常な出来事」は、あっさり「普通のこと」になっていくんだと思う。けれど、今度は何もなかったようだった父と母に異変がありました。二人の顔に「よわこのしるし」が・・・、くちばしがあるではありませんか!いつもはボサノバの好きな陽気な母が、突然悲しげに言いました。「あたしは42年間も生きて、いったい何をしてきたっていうんだろう・・・?!」そしてギターを手に取り、中川五郎の「90センチ」を泣きながら歌いはじめたのです。「おとうさん、おかあさんだいじょうぶかしら?」「落胆している割には5才もサバを読んでいるくらいだから、きっと大丈夫・・・」そう言う父も、みるみる小さくなって、真っ黒い子猫ちゃんになって、机の下でのどをぷるぷる鳴らしています。やれやれ、これから先どうなってしまうやら・・・考えるとよわこ指数がどんどん上がりそうなので、とりあえず今日のところは寝てしまうことにします。

よわこ誕生

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 05 27th, 2007   Yowako  

よわこ d001
目が醒めるとわたしは「よわこ」でした。
昨日まではたしか別の名前だったのに、今朝は思い出せません。ベッドの上で頭をちょっと上げてみたら、薄いブルーの毛布からのぞいた自分の足の向こうに、いつもと変わらない自分の部屋が見えました。もっと手前にズームインすると、わたしの顔のてっぺんに尖ったものがぼんやり見えます。それはくちばしで、「よわこのしるし」でした。「わたしは鳥になったのかしら?」横になったまま目をつぶって羽ばたいてみましたが、翼はなくて飛べませんでした。それどころか、世界中が悲観的に見えて、何もする気が起こりません。そのうち猫のクアチがお腹をすかせてやってきて、わたしの顔を見ると縞模様の長い尻尾をアライグマみたいに太くして、シャーと威嚇して逃げていきました。やれやれ夢じゃなさそうだ・・・。わたしはベッドから抜け出して考えました。「ほんとうのわたしはどこへ行ってしまったのか?」父に聞くと、パソコンの前で携帯電話とマウスを握ったまま「何か言った?」と、取り合ってくれませんでした。母に聞くと、ギターを弾いていた母は「あなたは生まれたときから、ずっとよわこでしょ」と、Aマイナーセブンスを鳴らして言いました。
というわけ?で、どうやら今日がわたしの誕生日みたいです。