解体中の日本工学院専門学校2号館。
思えば20代後半、2号館1階にあった映像科でアニメーション作家の故相原信洋さんの講義のために彼のフィルムをイメージフォーラムから届けたのが工学院との初めての出会い。その後、2号館5階のメディア研究科で映像制作の実習を担当した。30年前、教室で16mmフィルムの上映に始まり、今世紀の初め、映像がデジタル化していく創世記の試行錯誤の日々を過ごした。つまり、この2号館で映像メディアの進化を体験した事になり、その場の空間も進化していくのである。フイルムからビデオ、そしてデジタルと道具が3回も変わり、目の前の風景も変わり続ける。
高度成長と共に育った私にとって、変わる事が当たり前なのである。
2号館屋上で撮影したPV。8mmフィルムで撮影し、驚き盤・シネカリグラフをAvid DSで合成・編集。誰もがデジタルの幻想に取りつかれていた時代にうんざりしていた2002年のメディア研究科実習作品。