shiro
Maxi Single
宮原芽映
Port・fo・lio
MariPosa
2枚ワンセット
   
Copyright © 2007 - 2017 宮原芽映
MIYAHARA Mebae All Rights Reserved.

よわこ yowako.com 宮原芽映 オフィシャルサイト

踊る蜘蛛

よわこの日記 ARCHIVE   Posted on 10 26th, 2011   Yowako  

よわこ
今日も、わたしはよわこです。
秋になりましたが、まだ暑いです。温暖化はだいじょうぶかしら。
お風呂にお湯を入れようとしたら、ちいさなクモが、バスタブのまんなかでダンスを踊っています。あぶないあぶない、もうちょっとで流してしまうところだったわ!
「クモさん、どいて。」「…今練習中なんだ。邪魔しないで!」 クモはそう言いながら、8本の脚を上げたり下げたり、右に行ったり左に行ったり、真剣な目つきでいっしょうけんめい踊りつづけています。でも、ちっとも上手にならないみたい…何度やっても脚と脚が絡まってしまいます。そのうちに、は~っと小さな糸を吐いて、まるまってしまいました。
「僕ってだめなクモ…ショウジョウバエを捕るの苦手だし。花は好きだけど虫はキライなんです。」「草食なのね。」「はい。でも僕だって恋がしたい。結婚したいし子どもも欲しいけど、求愛のダンスもできない…嫌われるに決まっています。」「ダンスじゃなきゃダメなの?もっと得意なことは?お料理とか」「だめ。食べ物の好き嫌い激しいですから。」
うーん、なかなか困ったクモさんね!でもよく見ると、黒くて頭とお尻に白いすじが入ってて、ちょっと可愛い。アダンソン・ハエトリという種類だと、あとで日本ハエトリグモ研究センターのサイトを見て知りました。
「ジョロウグモたちは、彼女の背中をさすってマッサージをするそうです。交尾のとき、そうしないと女の子に食われちまうんです。」 えっ!クモの男の子も、生きるのタイヘン!わたしはかわいそうになって、何か手伝ってあげたいと思いました。…そうだ!音楽があると踊れるかも。
風呂場にパソコンを持ってきて、youtubeを検索して、マイケル・ジャクソンを流してみました。けれど、クモはリズム音痴で踊れませんでした。『サタディ・ナイト・フィーバー』はどうかしら…やっぱりリズムが合いません。『踊るマハラジャ』もだめです。レディ・ガガもスヌープ・ドッグもニルヴァーナも、ブラック・サバスもケツメイシも、フレッド・アステアもチャイコフスキーも、どれもだめ。『スパイダーマン』のテーマも、ノれませんでした…。
だんだんめんどくさくなってきて、あきらめかけたところで、「そうだ、民謡!」と思い、よくわからないまま検索して出てきたのが浜口庫之助さん作詞の『有難や節』。
 
金がなければくよくよします 女にふられりゃ泣きまする
腹が減ったらおまんま食べて 寿命尽きればあの世行き
ありが~たや ありがたや~
ありが~たや ありがたや~
 
これって民謡?ふざけてるようで、悲しい歌ね。止めようとしたら、「待って!」 クモが叫びながら、ゆっくりと踊りはじめたではありませんか。ときどき脚拍子を入れながら、けっこう上手に踊っています。
 
近頃地球も人数がふえて 右も左も満員だ
だけど行くとこ沢山ござる 空にゃ天国 地にゃ地獄
ありが~たや ありがたや~
ありが~たや ありがたや~
 
6番まである長い歌を、ついに最後まで絡まずに踊りきることができました。
「ありがとう!僕やっと、自信がつきました。」「よかった。みんないっしょうけんめい生きているんだね。えらいわ。がんばってね。」 「はい!」 クモは片手(脚?)を上げ、ぴょーんとジャンプして、どこかに消えてしまいました。あのクモは、きっと彼女の前で上手に踊れたにちがいありません。
数日後、浴室で母の声が、「ぎゃああああ!!!!」
脱衣所にクモの子が大量発生してました。やれやれ!